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null 海外拠点との情報共有を効率化!Liferay DXPで構築するグローバル統一ポータルとは

2025年4月17日、「ビジネススタイルや言語の違いを乗り越え、グローバル統一の情報共有プラットフォームを構築するには?~グローバル企業における情報の分散の解決と、権限管理・パーソナライズによる適切な情報共有の実現~」というセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。

グローバル企業が直面する情報共有の課題

まず、グローバル企業が抱える情報共有の課題について解説します。海外に拠点やグループ会社や取引先を持つ企業では、言語やビジネススタイルの違いから情報共有が複雑になりがちです。こうした課題の解決策を探ることが、今日のグローバル企業にとって重要な課題となっています。
 
各国・各地域に拠点や取引先を持つグローバル企業では、情報共有やコミュニケーションにおいて様々な問題が発生します。特に深刻なのが、地域拠点を超えた情報共有やコミュニケーションの不足、情報量の多さによる利便性の低下、そして情報の一元管理と統制の難しさという3つの課題です。
【資料:P6 グローバル企業における情報共有の課題】
 
言語やビジネススタイルの違いにより、地域・拠点ごとに独自の情報共有が行われがちになると、地域を超えた情報共有が進まなくなります。その結果、情報伝達にも時間がかかり、企業理念の浸透による統一的な企業文化の醸成や、組織を超えたコラボレーションを活性化することによる価値創造などの全社的な取り組みを阻害する要因となってしまいます。
 
また、企業規模や拠点が多くなるほど流通する情報量が膨大になり、必要な情報へのアクセスが困難になります。これにより利便性が低下し、従業員や取引先のエンゲージメント低下につながるという悪循環が生まれます。
 
さらに、地域・拠点に情報が散逸してしまうと、全社的なシステム・情報の統制が行えなくなります。セキュリティ上のリスクや、地域・拠点によって古い間違った情報が参照される可能性があるほか、認証基盤が地域・拠点毎に存在することで統一的な情報共有基盤の構築も困難になります。
 

Liferay DXPで実現するパーソナライズされた情報共有

次に、Liferay DXP(ライフレイデジタルエクスペリエンスプラットフォーム)がどのように情報共有の課題を解決するのかを紹介します。このプラットフォームは、ユーザーごとの細かな権限管理やパーソナライズ機能を備えており、海外拠点でも効率的な情報アクセスを可能にします。
 
【資料:P11 Liferayの機能(70以上の標準機能)】
 
企業におけるポータル利用状況を見ると、圧倒的に社内ポータルを使用している企業が多く、その次に取引先ポータル、カスタマーポータルと続いています。一方で、ポータルシステムを全く導入していない企業も一定数存在しており、情報共有のニーズと現実の間にギャップのあることが分かります。
【資料:P12 グローバル企業の情報共有の課題を解決するLiferay DXP】
 
前述の課題にアプローチするためには、3つの重要なポイントを押さえることが必要です。
第一に「全社・ローカルの情報共有の両立とパーソナライズ」です。全社的な情報発信・情報共有により統一的な企業文化形成や企業理念、事業目的の共有が可能となる一方で、地域・拠点毎のローカルな情報発信・情報共有による言語やビジネススタイルの違いへの対応も必要になります。この2つの両立が重要ですが、情報流通量が増えがちなため、パーソナライズにより必要な情報のみを届ける工夫が求められます。
 
第二に「情報の一元管理と管理権限の適切な委譲」が挙げられます。統合されたポータルサイトで情報の一元管理を実現し、システム・情報を適切に統制することができます。情報が一元管理されることで、地域・拠点を超えた正しい情報の流通が可能になります。一方で、中央集権的な管理だけでは管理業務が特定部署に集中するため、管理権限の適切な委譲が必要となります。
 
第三に「多言語での情報発信・情報共有」です。情報発信や情報共有を多言語で行うことで、地域・拠点を超えたコラボレーションが可能になります。ただし、多言語化はコストがかかるため、適切な実現方法・範囲での多言語化がポイントとなります。
 
Liferay DXPは、これらのポイントを踏まえた情報共有プラットフォーム(ポータルサイト)を構築し、グローバル企業の情報共有の課題を解決します。主要な機能として、パーソナライズ、マルチサイト、権限管理、認証連携の4つが挙げられます。
 

多言語対応でグローバルな情報発信を強化

さらに、Liferay DXPの多言語対応機能が、海外拠点との情報共有をどのように促進するのかを解説します。自動翻訳や多言語コンテンツ管理により、言語の壁を越えたコラボレーションが実現します。
 
多言語対応においては、Liferay標準の多言語対応機能による、ページやコンテンツの多言語での作成・表示・検索が可能です。1つのページ・コンテンツが複数言語の翻訳を持つことができるため、各言語毎に個別のサイトやコンテンツを作る必要がなく、情報の一元管理を実現できます。ページ・コンテンツはユーザーが各自指定した言語で表示され、検索も多言語で行われるため、エンドユーザーは言語によらず同様のユーザーエクスペリエンスを得られます。
 
また、目的や用途に応じた複数の自動翻訳機能も提供されています。例えば、トップメッセージなど全社統一的に発信したい特定の種別のコンテンツは、多言語に自動翻訳することでグローバルでのリアルタイムで一貫した情報発信が可能になります。一方で、ユーザーがオンデマンド的に利用できるドキュメント自動翻訳機能も提供されており、必要に応じて利用することで業務削減と他地域との情報共有の促進につながります。
 

実際の導入事例から見るLiferay DXPの効果

続いて、Liferay DXPを活用した具体的な事例を紹介します。グローバル企業がどのように情報共有の課題を克服し、業務効率化を実現したのか、実際の事例を通じてその効果を紐解きます。
 
あるグローバル企業では、複数の地域拠点で情報共有が分断され、統一的なコミュニケーションが課題でした。Liferay DXPを活用し、社内ポータルを統合することで、全従業員がアクセス可能なグローバルな情報共有基盤を構築しました。パーソナライズ機能を活用し、ユーザーの役割や地域に応じた情報表示を最適化し、権限委譲により各拠点が柔軟にコンテンツを管理できるようにしました。これにより、情報アクセスの利便性が向上し、企業全体のコラボレーションが強化されました。
 
二つ目の事例についてです。グローバルに取引先を持つこの企業では、取引先ごとに異なる情報提供が求められていました。そこでLiferay DXPを活用して取引先向けポータルを構築し、サイトテンプレート機能を活用して効率的にサイトを管理しました。パーソナライズ機能により、取引先ごとの契約内容に応じた情報やツールを提供し、厳格なアクセス制御でセキュリティを確保することが可能となり、これにより、取引先の利便性が向上し、管理業務の効率化が実現しました。
 
三つ目の事例もグローバル企業です。この企業では、言語の違いによる情報共有の障壁が課題でした。Liferay DXPを活用して多言語対応の社内ポータルを構築し、自動翻訳機能により一貫した情報発信を実現しました。コンテンツ作成の権限を各拠点に委譲することで、タイムリーな情報共有が可能になり、全従業員が言語に関係なくスムーズに情報にアクセスできるようになりました。
 

グローバル情報共有を最適化するLiferay DXPの可能性

最後に、グローバル企業における情報共有の課題を解決するLiferay DXPの特徴と導入事例について振り返ります。海外拠点を持つ企業にとって、情報の一元管理とパーソナライズされたポータル構築は、業務効率化の鍵となります。
 
【資料:P25 まとめ】
 
Liferay DXPは、全社・ローカルの情報共有の両立とパーソナライズ、情報の一元管理と管理権限の適切な委譲、多言語での情報発信・情報共有という3つのポイントを踏まえた情報共有プラットフォーム(ポータルサイト)を構築し、グローバル企業の情報共有の課題を解決します。
 
全社・ローカルの情報共有の両立では、適切な範囲での情報共有、必要な情報を確実に届ける工夫が重要です。情報の一元管理と管理権限の適切な委譲においては、統制された正しい情報の流通、現実的な運用のための管理業務の適度な分散が求められます。多言語での情報発信・情報共有では、統一的なメッセージの全社員との共有、妥当な方法・範囲での多言語化がポイントとなります。
 
Liferay社は2004年に設立されたオープンソース企業で、現在グローバルで1,200名の従業員を擁し、世界19カ国24拠点にオフィスを構えています。日本ライフレイは2012年に設立され、日本がアジアの本部となっているという特徴があります。これにより、日本語のサポートを日本の営業時間内で受けられるという利点があります。
 
製品としてのLiferay DXPは、ガートナー社のデジタルエクスペリエンスプラットフォームカテゴリーにおいて、B2B・B2Eユースケースで2位を獲得しており、特に拡張性、統合性、セキュリティ、アカウント管理において最高評価を得ています。世界中で1,400社以上の大手企業に採用されており、製造業、金融保険、政府機関、小売、海運物流など多岐にわたる業界で活用されています。
 
導入支援においては、ポータルサイト構築を検討する段階から伴走が可能であり、Liferay DXP導入を検討中の企業だけでなく、顧客企業にLiferay DXPを導入・提案するベンダー様への支援も提供されています。導入コンサルティング、カスタマイズ開発、技術アドバイザリ、ワークショップ・トレーニングなど、企業のニーズに合わせた柔軟な支援が可能です。
 
グローバル企業が直面する情報共有の課題は複雑ですが、適切なプラットフォームと実装により解決可能です。Liferay DXPのようなソリューションを活用することで、本社による統制とローカル拠点の自由度を両立させながら、効率的な情報共有環境を構築できます。今後も企業のグローバル化が進む中、こうした統合的なアプローチがますます重要になるでしょう。