IFRS(国際財務報告基準)対応支援コンサルティング

日本の動向

(1) 国際財務報告基準への対応

EUのIFRS採用により、EU域内に上場している日本企業にも、2007年1月(その後、2009年1月へ変更)よりIFRSでの開示またはそれと同等の基準による開示が義務付けられる事になりました。従って、日本基準のままEU域内で日本企業が開示するためには、日本基準がIFRSと同等との評価を得る必要があります。EUは、この同等性評価の検討を欧州証券規制当局委員会(The Committee of European Securities Regulators:CESR)に指示しており、CESRは2005年にIFRSと日本基準との間には、26項目の差異があると報告しました。ちなみに日本と同様にコンバージェンスを選択した米国は19項目、カナダは14項目の差異があるとされ、日本が最多となっています(米国はその後、IFRS採用へ方針転換)。

この26項目について、両基準間の差異が解消されない限りは、2009年以降、EU域内に上場する日本企業の財務報告には、一定の調整や追加開示といった補正措置が必要になり、本邦企業に多大な負担が生じます。こうした背景もあり、日本のコンバージェンスプロジェクトが次第に加速していくなかで、2007年8 月には、日本の企業会計基準委員会(Accounting Standards Board of Japan:ASBJ)とIASBとの間で、東京合意が交わされました。これにより、コンバージェンスプロジェクトに一定の期限目標が定められ、CESR が報告した26項目の差異のうち、重要な差異については2008年中に解消し、残りの差異についても2011年6月30日までに解消する事になりました。この差異解消のため、ASBJは新しい会計基準、適用指針、実務対応報告等を次々と公表していきます。

こうしたASBJの努力もあり、2008年12月に日本の会計基準はIFRSと同等との評価を得ました。この同等性評価と引き換えに、日本では第2次会計ビッグバンとも呼べる新会計基準の適用ラッシュが幕を明けます。