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アセットパブリッシャー

null DXPとは

ECやSaaS、サブスクリプションモデルの流行など、顧客との結びつきはより重要視されています。的確な情報を顧客に提供し、顧客とのリレーションを継続的に維持しなくてはなりません。そのためには、顧客の行動履歴のような表層的な情報だけでなく、バックエンドシステムや他のセールス/マーケティングテクノロジーを統合し、顧客のデジタル体験の質を高め、接点をくまなく結ぶ必要があります。これを実現できるプラットフォームがDXPです。

Digital Experience Platform (DXP) とは

DXPとは、Digital Experience Platform(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)の略称で、多様化するアプリケーション、双方向コミュニケーションの広がりによって発生した多くの接点を統合し、デジタル体験を管理するプラットフォームです。
デジタル体験における接点は、企業-顧客の関係であれば製品サイト・ECサイト・カスタマーポータル・SNS・チャットボットなど、企業-従業員の関係であればコンテンツ管理・イントラポータル・CRMなどが挙げられます。(デジタル体験といっても聞き慣れないかと思いますが、顧客体験・顧客接点などとも言われています。)
DXPではこれらの情報から最適化してデジタルマーケティングやパーソナライゼーションをおこないます。

DXPは2015年のフォレスター社のレポートで徐々に認知されてきた新しいアーキテクチャ、新しい製品ジャンルです。ガートナー社のレポートでは2017年からDXPがジャンルとしてまとめられました。
 

DXPの定義

Forrester社による定義:
「あらゆる顧客接点で一貫したエクスペリエンスを管理、提供、最適化するためのソフトウェア」

Gartner社による定義:
「コンテキスト化されたデジタルエクスペリエンスの構成、管理、配信、最適化のために設計された、統合されたテクノロジー」

Forrester社のレポートでは以下の6つをデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)の要件としています。

  • コンテンツ、顧客データ、コアサービスを調整し、再利用と品質を高める。
  • マーケティング、コマース、サービスの各プロセスを統一し、運用上のワークフローを改善する。
  • コンテクストに基づいた提供、ターゲティングルールの共有により「接点」を統一する。
  • あらゆる顧客接点でフロントエンドのコードを共有し、共通のユーザーエクスペリエンスを管理する。
  • データと分析をリンクし、インサイトを提示し、行動を促す。
  • コードとエクステンションを管理して再利用率を高めると共に、過度のカスタマイズは避ける。

DXPが担うこれからのデジタルマーケティングの一例を紐解きます。
これまではCRMとMAツールの利用で完結していたインサイドセールスも、より多くの情報から最適化された活動に進化していきます。メールやSNSなどのコミュニケーション内容、IoT製品から取得・蓄積された情報など、パーソナライズを推進するチャネルを増やし、適切な表示・配信をおこないます。
Liferay DXPのようにCMS機能を内包している場合は同プラットフォーム上で一貫することができます。

 

DXPの類似ジャンル

ガートナー社によるレポート(Gartner Magic Quadrant)ではかつて "Horizontal Portals" としたジャンルが、2017年から "Digital Experience Platform" となりました。DXPはこれまでのポータル、EIP (Enterprise Information Portal) といったジャンルの進化版とも言えますが、以下もDXPに近い製品ジャンルとなります。

  • Web Content Management (WCM) ... 公開Webコンテンツを共同制作するための製品
  • Digital Asset Management (DAM) ... 画像や動画など幅広い種類のデジタル資産を管理するための製品
  • Enterprise Content Management (ECM) ... 業務で扱う文書・コンテンツを細かな権限設定で管理するための製品
  • グループウェア ... 掲示板やカレンダなどによる情報共有を軸とした製品

それぞれの製品群が多機能化しているため、機能一覧レベルで比較すると差が見えづらくなります。製品検討の際は用途に応じた製品ジャンルの選定から進めていくとよいでしょう。

 

DXPジャンルの主要製品

  • Liferay DXP
  • Adobe Experience Manager
  • Sitecore Experience Platform
  • Acquia Open Digital Experience Platform
  • Episerver Customer-Centric Digital Experience Platform

上記はGartner Magic Quadrantでリーダーに選出された製品です。Liferay DXPは11年連続でリーダーに選出されています。

2020年のレポートではマイクロソフト社やIBM社が選外となりました。SharePointはそのものの認知度の高さから製品検討の際にLiferay DXPと比較検討されることも少なくありません。複数ジャンルで数多くの製品を比較するのは製品選定の遠回りになりますので、お気軽にご相談ください。