Liferay DXP 2026.Q1(長期サポート版)の紹介 - aegif Labo Blog Liferay
こんにちは、おおたにです。
リリースから少し日がたってしまいましたが、今回は、(本記事作成時点で)最新の長期サポート版であるLiferay DXP 2026.Q1について紹介します。
長期サポート版について
現在Liferayは四半期毎に新しいバージョンのリリースが行われています。バージョン番号は、2026.Q1のように西暦年.四半期という表記になっていますが、このうち第一四半期のリリース(2025.Q1や2026.Q1など)が長期サポート版(LTS)として、他のバージョンよりも長くサポートが受けられるようになっています。なので、実際に導入して利用しようとした場合は、基本的にはこの第一四半期リリースを利用することになると思います。
では、さっそくLiferay DXP 2026.Q1のリリースハイライトを見ていきましょう。
新しいLiferay CMS
本バージョンでは、これまでのサイト管理、コンテンツ管理とは全く別の新しいヘッドレスCMSがリリースされました。ヘッドレスAPIの利用とマルチチャネル配信を意識して、新しく構築しなおされたCMSです。
これまでは、サイト単位でのコンテンツ管理、もしくはアセットライブラリでコンテンツを管理してサイトと紐づけるという形でしたが、新しいLiferay CMSは、スペースと呼ばれる新たな管理単位でコンテンツを管理する形になります。スペースはアセットライブラリと似た目的・用途ですが、新しいLiferay CMSのユーザインタフェースに統合されたものという感じです。
また、従来のWebコンテンツやドキュメントは、Objectを基盤としたコンテンツやファイルに代替されており、従来のWebコンテンツストラクチャのような構造定義の仕組みも備わっています(まあObjectを基盤にしているので当然ではありますが…)
利用のためには、リリース機能フラグでルートオブジェクト定義 (LPD-34594)、リッチテキストエディタの強化 (LPD-11235)、CMS (LPD-17564)を有効にする必要があります。なお、引き続きこれまで通りのサイト単位・アセットライブラリ単位でのコンテンツ管理もできますし、新しいLiferay CMSで配信したコンテンツをサイトで表示することもできます。
詳しくはLiferayのドキュメントをご参照ください。
OpenAI連携によるセマンティック検索
2026.Q1より、OpenAIと連携したセマンティック検索機能が利用できるようになりました。ベータ機能なので、ベータ機能フラグセマンティック検索 (LPS-122920)をONにする必要があります。また、利用にはLiferay Enterprise Search(LES)サブスクリプションが必要です。
詳しい利用方法についてはLiferayの公式ドキュメントをご参照ください。
MCPサーバ機能
正確には2025.Q4で導入された機能ですが、LiferayがMCPに対応しました。ベータ機能フラグMCP サーバー (LPD-63311)をONにすると、AIアプリケーションからLiferayをMCPサーバとして利用できるようになります。
具体的な利用手順はLiferayのドキュメントをご参照ください。
Liferay WorkspaceへのAIコンテキストファイルの生成
開発者向けですが、こちらもAI関連機能です。開発用のLiferay Workspaceを作成すると、Claude、Cursor、Gemini、Copilot、Windsurf向けのコンテキストファイルが生成されるようになりました。LiferayプロジェクトでAIツールを使う際の指針となる内容が記述されていますが、開発方針によっては内容の調整が必要かもしれません。
続・インポート/エクスポートの改善
バッチエンジンによるインポート/エクスポートと外部参照コード(ERC)をキーにした参照の対象がさらに広がりました。タグ・カテゴリのインポート/エクスポート対応や、異なる環境間でのデータの転送を行えるようになりました。外部参照コードをキーにしているため、複数のデータをインポートする際にインポート順を気にする必要がありません(従来のエクスポート/インポートでは、データの参照関係を考慮してインポート順を決める必要があった)。
その他の新機能・機能改善
Objectのフィールドにデフォルト値を設定できるようになった
ユーザビリティやステータスとして利用する場合の堅牢性が向上します。
Webコンテンツ公開時の権限ダイアログがオプションに
2025.Q1あたりでは、Webコンテンツの公開ボタンを押すと必ず権限設定ダイアログが表示されていました。2026.Q1ではその挙動が改善し、権限設定を行わない場合は公開ボタンワンクリックで公開できるようになりました。設定する必要がある場合は、公開ボタンの横のドロップダウンメニューから設定することができます。
データセットでユーザ毎にビューをカスタマイズできるようになった
データセットのビューをユーザ毎にカスタマイズできるようになりました。データセットの設定でユーザビューを有効にすると、ユーザ毎にビューをカスタマイズできるようになり、その設定が保存されるようになります。
新しいマルチ選択ドロップダウンフラグメント
フォームで使える複数選択のためのフラグメントが追加されました。
新しいリッチテキストエディタ(CKEditor 5)
リッチテキストエディタCKEditor 5を利用できるようになりました。デフォルトではCKEditor 4ですが、リリース機能フラグリッチテキストエディタの強化 (LPD-11235)をONにするとCKEditor 5に切り替わります。ただし、4と5でHTMLのレンダリング方法が異なるため、リッチテキストデータや追加プラグインのアップグレードについて考慮する必要があります。詳しくはこちらをご参照ください。
HubSpotコネクタ
HubSpotコネクタがLiferay Marketplaceで公開されました。LiferayとHubSpotを連携し、LiferayのObjectとHubSpotのリード、コンタクト、会社を同期します。具体的なセットアップ方法はLiferayのドキュメントをご参照ください。
他にも多数の機能追加や機能改善がありますので興味がある方はリリースノートを見てみてください。
続いて、機能の非推奨化や廃止についてです。
サイトテンプレート伝播機能の廃止
本バージョンより、サイトテンプレート変更の伝播が利用できなくなりました。サイトテンプレートを変更した場合は、必要に応じて各サイトに手動で変更内容を反映させる必要があります。
Liferay DXPのセグメント機能が非推奨になった
Liferay DXPのセグメント機能が非推奨となりました。セグメントはユーザの属性情報などに応じて情報表示を出し分ける機能で、パーソナライズを実現するための主要な機能の1つでした。
デフォルトでは、新しいセグメントが作成できず、古いバージョンで作ったセグメントをアップグレードした場合はリードオンリーとなります。ただし、廃止予定機能フラグDXP Segments (LPD-78863)をONにすれば引き続き利用できますのでご安心ください。
今後はLiferay DXPのセグメントに代わってLiferay Analytics Cloudのセグメントの利用が推奨されるため、長期的視点に立つと、Liferay Analytics Cloudの利用を検討する必要があります。
メンテナンスモードになった機能
引き続きサポートは受けられるものの、新たな機能拡張は行われないという状態をメンテナンスモードと呼びます。本バージョンでは以下のような機能がメンテナンスモードになりました。
公開(Publication)機能
ページやコンテンツの変更をまとめて管理し、ワークフローに乗せてレビュー・公開する仕組みである公開(Publication)機能がメンテナンスモードになりました。代わりの機能が提供されていないため、当分は公開機能を利用する必要があります。
Webコンテンツ・ドキュメントとメディア・ブログ・ナレッジベース・アセットライブラリ
これまでLiferay利用で中心的な役割を果たしてきたWebコンテンツやドキュメントとメディア、アセットライブラリなどの機能が、新しいLiferayヘッドレスCMSの登場に伴いメンテナンスモードになりました。引き続き利用できますが、長期的には新しいLiferayヘッドレスCMSへの移行を考える必要がありそうです。
今回の紹介は以上になります。個別の機能については、今後別のブログ記事で紹介していく予定です。
