Liferay DXP 2025.Q3の新機能・機能改善について - aegif Labo Blog Liferay
こんにちは。おおたにです。
今回は2025年9月にリリースされたLiferay DXP 2025.Q3の新機能や機能改善点、変更点について紹介します。このバージョンでは対応プラットフォームに大きな変更が加えられています。次の長期サポート版(LTS版)である2026.Q1以降の利用が見込まれている場合には同様の変更とそれに対する考慮が必要となりますので是非参考にしてください。
Jakarta EE 10への移行
Liferay DXPは長らくJava EE 8ベースでしたが、本バージョンよりJakarta EE 10ベースへと移行しました。従来のJava EEはサポートされなくなるため、Liferay DXPのサポート対象プラットフォームの変更や、カスタムモジュールへの影響があります。
サポートするアプリケーションサーバの変更
直近のバージョンではApache Tomcat 9、JBoss EAP 7.4、Wildfly 26.1、Weblogic 14cをサポートしていましたが、Jakarta EEへの移行に伴ってサポート対象のアプリケーションサーバがApache Tomcat 10.1、JBoss EAP 8、Wildfly 30となりました。
Jakarta EEマイグレーションツールの提供
Jakarta EEへの移行により、依存するテクノロジやライブラリも変更となり、主なものだとPortlet 4.0、Servlet 6.0、Spring Framework 6.0などに変わっています。また、パッケージ名も旧来のjavax.*からjakarta.*に変わるため、既存のカスタマイズを新バージョン向けにアップデートする場合は関連箇所の修正が必要になります。
Liferayの開発環境であるLiferay WorkspaceではJakarta EEマイグレーションツールが新たに提供され、既存のカスタムモジュールをある程度自動的にJakarta EEにフィットさせることができます(ただし、完全なJakarta EEへの移行をサポートするものではないため、手作業での修正が必要な場合もあるでしょうし、動作確認も必要です)。
サイト・ページ管理
ログインポートレット系の各画面のカスタマイズ
ログインダイアログ、アカウント作成画面、パスワードリセット画面、Cookieポリシー画面をカスタマイズするためのユーティリティページ機能が正式にサポートされるようになりました(以前はベータ機能として提供されていた)。詳しい利用方法はこちらをご確認ください。
コンテントページエディタでのLiferayマーケットプレースのフラグメントの直接利用
コンテントページエディタ上で、Liferayマーケットプレースで公開されているフラグメントを直接参照し、利用することができるようになりました。LiferayインスタンスをLiferayマーケットプレースに接続することで直接参照できるようになります。詳しい方法はLiferay公式のドキュメントをご参照ください。
コンテンツ管理
アセットライブラリとサイトテンプレートの接続
アセットライブラリをサイトテンプレートと接続できるようになりました。アセットライブラリのサイト接続設定でサイトテンプレートを接続すると、以下のことができるようになります。
- サイトテンプレート内でアセットライブラリのアセットを利用できる
- アセットライブラリに接続されたサイトテンプレートをベースにサイトを作成すると、作成したサイトも自動的にアセットライブラリに接続される
これまでは、サイトテンプレートを利用する場合のコンテンツの共有については、グローバルサイトのコンテンツを利用する必要がありましたが、この機能改善によりサイトテンプレートとアセットライブラリの併用が現実的になりそうです。
オブジェクト機能
オブジェクトのフレンドリURL
オブジェクトのエントリのフレンドリURLのフォーマットをカスタマイズできるようになりました。機能フラグの オブジェクトエントリーのフレンドリ URL (LPD-21926) を有効にすることで利用できるようになります。
プラットフォーム・検索機能
検索ブループリントで設定した任意のコンテンツ取得条件でコレクション表示する
検索ブループリントで設定した任意のコンテンツ取得条件をコレクション表示できる機能が、正式にサポートされるようになりました(以前はベータ機能でサポート対象外だった)。機能フラグの 検索ブループリントのコレクション(LPS-129412) を有効にすることで利用できるようになります。
詳しくはブログ記事 Liferayで任意の検索条件にヒットするコンテンツの一覧を表示する をご参照下さい。
アップグレードの事前検証
本バージョンより、Liferayのアップグレードに利用するDBアップグレードツールでアップグレードの事前検証が行われるようになりました。これまではDBアップグレードツールの実行中に問題が発生すると、データが中途半端にアップグレードされた状態で処理が中断するという動作でしたが、事前検証を行うことでDBアップグレードツールがデータを更新する前に問題を把握することができます。
LARファイルインポート時のデータ削除更新オプションの変更
サイトのインポートでLARファイルをインポートする際のオプションがいくつか廃止予定となりました。具体的には、以下の2つが廃止予定となり、デフォルト状態ではオプションとして表示されなくなっています。以前のように利用したい場合は、それぞれ以下の機能フラグを有効にする必要があります。
- 削除 > アプリケーション データをインポートする前に削除します:
サイトレベルのインポートでアプリケーションデータの削除オプションの使用を許可 (LPD-44771) - データの更新 > 新規コピー:
サイトレベルのインポート用の新規コピー戦略 (LPD-44307)
他のDBからPostgreSQLへのマイグレーション
PostgreSQLは、Liferay PaaS/SaaSでも利用されているLiferayの推奨RDBMSですが、LiferayがサポートするMariaDB、SQL Server、Oracle、DB2などの他のデータベースからPostgreSQLへのデータマイグレーションを行えるようになりました(以前はMySQLからのみサポートされていました)。なお、本機能はベータ版機能なので、利用する際はベータ機能フラグDatabase Migration Schema Export System Settings (LPD-23840)を有効にする必要があります。
セキュリティ
ロールの複製
既存のロールをコピーし、似たようなロールの設定をベースに新たなロールを作成できるようになりました。

カスタムCAPTCHA実装のためのClient Extensionの追加
LiferayのCAPTCHA機能はSimpleCaptchaとreCAPTCHA v2にしか対応しておらず、reCAPTCHA v3等を利用したい場合にはカスタマイズが必要になります。本バージョンでは、カスタムCAPTCHA実装のための公式の拡張ポイントが用意され、Client Extensionによる疎結合なカスタムCAPTCHA実装が可能となりました。具体的な作成方法はLiferay公式のドキュメントをご参照ください。
今回の紹介は以上になります。是非新しい機能を試してみてください。
