Liferay DXP 2025.Q2がリリースされました

こんにちは。おおたにです。

 

今回は、2025年5月下旬にリリースされたLiferayの新バージョン Liferay DXP 2025.Q2の主要な新機能や機能改善について紹介します。なお、全ては紹介しきれませんので、詳細についてはリリースノートをご参照ください。

 

サイト・ページ管理

テーマ毎のスタイルブック

スタイルブックが明確にテーマに紐づくようになりました。これにより、不意にスタイルブックが適用されてしまって、意図しないトークン値が適用されることはなくなりました。

パブリケーション機能の改善

パブリケーション機能で、パブリケーションを一括で移動/削除できるようになりました。また、パブリケーションがその変更の大きさにより「大」「中」「小」に分類され、公開のプランニング時に役立つ情報を提供できるようになりました。

マルチステップフォームの作成

標準で用意されたフラグメントを利用して、マルチステップのフォームを作成できるようになりました(ベータ機能としては以前からありましたが、本バージョンから正式にサポートされるようになりました)。詳しくはUsing Fragments to Build Multi-Step Formsをご参照ください。マルチステップフォームについては別途ブログで作成方法を紹介する予定です。

コンテンツページのフォームコンテナフラグメントでの多言語化フォームの作成

フォームコンテナフラグメントを使ってカスタムオブジェクトのフォームを作成する時に、多言語で入力できるフォーム項目の幅が広がりました。これまでもテキストフィールドに限って多言語入力できていましたが、日時や数値などの他の種類のフィールドも多言語入力に対応しました。機能フラグテキスト入力フラグメントの翻訳サポート (LPD-37927)を有効にすることで、フォームコンテナ内に ローカライズ選択フラグメント を配置できるようになり、多言語でフォーム入力できるようになります。

ユーザ入力値に応じてフィールドの表示/非表示を切り替えるカスタムフラグメント設定

機能フラグ条件に応じたカスタムフラグメント内設定フィールドの表示切り替え (LPD-46393)を有効にすると、カスタムフラグメントにおいて特定のフィールドのユーザの入力値に応じて別のフィールドの表示/非表示を切り替える設定をできるようになります。ユーザ入力に応じて以降の入力項目を切り替えたいなどの要望をカスタムフラグメントで実装できます。

 

コンテンツ管理

ドキュメントライブラリのファイルの使用状況の確認

ドキュメントライブラリ(ドキュメントとメディア)にアップロードされたファイルがどのページで利用されているかを確認することができるようになりました。ファイルのアクションメニュー > 利用数を表示 をクリックすると、使用状況が表示されます。

ドキュメントライブラリやWebコンテンツのフォルダ更新権限の分離

これまでは、フォルダの更新権限を付けるとフォルダ名や説明だけにとどまらず、ワークフロー設定まで変更できてしまいましたが、本バージョンからは、「更新」と「詳細な更新」の2つの権限が用意され、前者が名前や説明などのプロパティの更新権限、後者がワークフロー設定の更新権限という形に権限が分離されました。フォルダはコンテンツ作成者に作成させたいけどワークフロー設定は変更させたくない、というようなユースケースに対応できるようになりました。

リッチテキストエディタの強化

ベータ機能ですが、リッチテキストエディタをCK Editor 5にアップグレードできます。機能フラグリッチテキストエディタの強化 (LPD-11235)を有効にすることで利用できます。ただし、まだベータ機能であるのと、一部リッチテキスト編集箇所は対応していないということもあるため、統一的な使用感の観点からはもう少し様子見かもしれません。

 

オブジェクト機能

カスタムオブジェクトのローカライズ強化

機能フラグオブジェクトエントリーのローカライズを強化 (LPD-32050)を有効にすることで、カスタムオブジェクトのフィールド毎に多言語化入力をON/OFFできるようになりました。また、多言語入力に対応するフィールドタイプが一気に増え(これまではテキスト、リッチテキスト、ロングテキストだけでした)、やっと実用的な多言語でのオブジェクトエントリ入力/管理が可能になりました。

プロキシオブジェクト機能

SalesforceやSugerCRMのデータをオブジェクト機能にマッピングし、透過的にLiferay上で閲覧、操作できるようになりました(正確には、これまでベータ機能として提供されていたものが正式にサポートされるようになりました)。

Liferayのオブジェクト機能やフラグメント機能、コンテンツページ機能を利用してCRMの情報を取り扱うようなアプリケーションを作成できるようになります。利用方法や制限の詳細についてはManaging Data from External Systemsをご参照ください。

オブジェクトエントリ入力値のリアルタイムバリデーション

オブジェクトエントリのフォーム入力値をフォーム送信前にバリデーションすることができるようになりました。オブジェクト機能のバリデーション用APIを利用し、オブジェクトエントリ入力中(例えばマルチステップフォームで次のページに進むタイミングとか)に必要なバリデーションとエラーのフィードバックを行えます。詳しくはAdding Field Validationsをご参照ください。

 

プラットフォーム・インテグレーション

MySQL 8.4のサポート

2025.Q1 LTSよりMySQL 8.4を正式にサポートします。MySQL 8.4はMySQL 8系のLTS(ロングタームサポート)版ですので、MySQLとの組み合わせでの利用を検討する場合はMySQL 8.4が候補になると思います。

JavaScriptパフォーマンスの向上

無駄なJSライブラリの削除や無効化などを実施し、ロードサイズが減り、ページパフォーマンスが向上しました。

仮想インスタンスの移行機能

仮想インスタンスをまるごとインポート/エクスポートできる機能が提供されます。現時点ではベータ機能なので公式にはサポートされませんが、機能フラグ仮想インスタンス移行システム設定 (LPD-11342)を有効にすることで利用できます。

異なるLiferayインスタンス間で仮想インスタンスを移行したり、ローカル開発環境(Self-hosted)の仮想インスタンスをLiferay PaaSに移行したりなど、様々な利用方法が考えられます。詳細な利用方法はMigrating Liferay Instancesをご参照ください。

エンドユーザへの影響の少ない検索インデックス再作成モード

新しい2つのインデックス再作成モード「同時 (concurrent) 」、「同期 (sync)」が正式にサポートされるようになりました。

これまでの検索インデックスリビルド(アプリケーションメニュー > コントロールパネル > 検索 > インデックス管理)は、検索に利用されるインデックスを一旦空にしてゼロからリビルドをしていたためエンドユーザへの影響が大きいものでした。「同時 (concurrent) 」、「同期 (sync)」の2つのモードは、リビルド処理中も古いインデックスを検索に利用できるため、エンドユーザへの影響を少なくすることができます。ただし、新しいインデックス再作成モードは一時的にインデックス容量が多くなるためストレージ容量にご注意ください。

 

セキュリティ

CSP(Content Security Policy)設定の追加

いくつかの新しいディレクティブに対応し、主要なディレクティブを一通りカバーできるようになりました。

インスタンス毎のCAPTCHA設定

これまではシステム全体レベル(システム設定)でしかCAPTCHA設定を行えませんでしたが、本バージョンからはインスタンス設定でインスタンス毎に設定を行うことができるようになりました。複数インスタンスでの運用ではインスタンス毎にドメインが異なるケースが想定されるので、その際に役立つと思います。

ベンダー固有のSCIMプロビジョニングの実装

LiferayはIDプロビジョニングの標準仕様であるSCIMに対応していますが、新たにMicrosoft Entra IDやCyberArkなどのベンダー固有のSCIMプロビジョニングにも対応するようになりました。詳しい利用方法はSystem for Cross-domain Identity Management (SCIM)をご参照ください。

 

2025.Q2で非推奨となった機能

2025.Q2ではいくつかの機能が非推奨となっております。現在ご利用の御客様でアップデートを検討している方は注意が必要です。

Java 17サポート

既にJava 8をサポートしておらずJava 17もしくはJava 21の利用が推奨されておりましたが、本バージョンで正式にJava 17をサポートしなくなり、Java 21を利用する必要があります。

Elasticsearch 7サポート

最近のバージョンでは検索エンジンとしてElasticsearch 7もしくはElasticsearch 8をサポートしておりましたが、本バージョンからElasticsearch 7をサポートしなくなり、Elasticsearch 8を利用する必要があります。

AMDローダー

JavaScriptのライブラリモジュールローディングのための機能であるAMDローダーが非推奨となります。カスタマイズでAMDローダーを利用している場合は、他の仕組みへの移行か、機能フラグAMD ローダー (LPD-48372)を有効にする必要があります。

 

今回の紹介は以上となります。是非新しいバージョンのLiferay DXPをインストールし、新機能を試してみてください。


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