null Liferay DXP 7.4 新機能の紹介(1)

Liferay DXP 7.4が2021年11月にグローバルでリリースされました。7.3から1年程度での新バージョンリリースです。業界の変化に柔軟に対応し、素早くかつ継続的に最適なソリューションを提供するための機能群が拡充されています。エンドユーザのエクスペリエンス向上はもちろん、ローコード/ノーコード開発の機能拡充によりサービスを提供する側のデジタルエクスペリエンスの向上にもウェイトが置かれているという印象です。

Liferayの公式サイトを参照し、2つの記事に分けてざっくりと追加機能の内容を見ていこうと思います(数が多いので、網羅できているわけではありません)。当記事ではサイトの管理や運用に関する新機能を取り上げます。

Liferay Objects

ビジネスに必要なデータ定義をUIからLiferayに作成することができるローコード開発機能です(7.3で導入されたApp Builderは廃止されました)。開発者でなくても独自オブジェクトをLiferayフレームワークの中で利用することができるこちらは重要な機能ですので、追って詳しい紹介記事を投稿予定です。

ページ監査

Google PageSpeed Insightsとの連携に対応し、ページ内のパネルでSEO最適化のための改善案を確認できるようになりました。

 

チャットサービスとの連携機能

Chatwoot、Crisp、Hubspot、JivoChat、LiveChat、LivePerson、Smartsupp、Tawkto、Tidio、Zendeskと設定画面のみで簡単に連携できるようになりました。対象となるサービスの拡大にも期待したいところです。

Liferay Enterprise Search機能の開放

Liferay Enterprise SearchがDXPに同梱され、DXPのサブスクリプションのみで利用可能となりました(サポートを受けるには別途契約が必要とのこと)。Update 5(※)からは検索ブループリント(Search Blueprints)と呼ばれる新機能が使えるようになり、UIからローコードでニーズに合わせた細かい検索チューニングが可能となりました(例:特定のWebコンテンツが検索結果で上位になるようブーストする、など)。

こちらは実際に試したあと、別記事で紹介できればと思います。

コンテンツダッシュボードのエンハンス

7.3で追加された、Liferayが保持するコンテンツをまとめて表示することができる機能です。7.4では表示されるコンテンツタイプとしてドキュメントが追加されました(これまではWebコンテンツのみ)。
目的のコンテンツを素早く見つけてメンテナンスすることができるのに加え、XLSファイルとしてコンテンツデータ一覧をエクスポートすることもできるので、コンテンツマーケティングなどにも利用することができるでしょう。

また、カテゴリ表示の縦軸・横軸を簡単に切り替えられるようにもなりました。

Liferay Commerce

7.4ではLiferay CommerceがDXPに同梱されています。Liferayのエクスペリエンスをシームレスに利用することができるB2B向けのWebカタログとなっています。これまではアドオンとして追加しないと画面を見ることができなかったので、試したことがないという方もいらっしゃったでしょうが、今後は気軽に使い勝手を試すことができます(商用で利用するには別途契約が必要な可能性があります)。

パフォーマンス向上

サイトテンプレートを利用してサイトを作成した後にテンプレートを更新したとき、変更内容を伝播させるのに時間がかかることがありました。部分的な伝播、キャッシュ利用などのロジックにより、このパフォーマンスが改善しました。

その他、ページロードやステージングに関するパフォーマンスにも見直しがあり、改善されたとのことです。

 

Analytics Cloud関連

Liferay Analytics Cloudを利用している場合、以下の新機能が利用できます。

A/Bテスト設定の柔軟化

これまでボタン、リンクのみに限定されていたA/Bテストの対象が、ページ内のクリック可能な要素を対象とするように機能拡張されました。

コンテンツのSEOパフォーマンス検証

ページにパフォーマンスパネルを配置することにより、オーガニック検索/ソーシャル/リファラルリンクなどの流入経路を分析できるようになりました。

 

開発者向け

ローコード/ノーコード機能によって担当者レベルで様々なカスタマイズ/チューニングができるようになれば、開発チームがより複雑なソリューション構築のために時間とコストを使うことができます。以下の新機能も開発チームに寄与するでしょう。

リモートアプリ

リモートに配置したJSアプリをLiferayのウィジェットとして利用することができる機能が追加されました。これまでのウィジェットの開発手法と比較すると、より疎結合な方法での開発と言えます。デプロイなしにLiferay APIを利用するウィジェットを継続的に開発できるとなると、カスタマイズの選択肢が広がりそうです。
詳しい利用方法は別記事で紹介予定です。

新しいHeadless API

ページ操作やユーザ関連のCRUD操作のAPIが新たに追加されました。API Explorerの利用方法は7.3と同様なので、ぜひこちらを参考にしてください。

 

最後に本文中の※についてですが、7.4 GA1(と7.3 DXP FP3)からは隔週でUpdate Bundleがリリースされることになりました。従来のFix PackのようにLiferayにパッチを当てる形式ではなく、更新を適用したい場合は新しいTomcat Bundleを展開し、設定やデータを移行して利用するということになります。Tomcatも適宜更新されるようなので、脆弱性対策にもなっています。

今回は以上です。2つ目の記事ではページやコンテンツ作成に関する新機能を紹介する予定です。

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