Liferay DXP 7.3 新機能の紹介(1) - Liferay DXP 7.3 新機能の紹介(1) - aegif Labo Blog Liferay
null Liferay DXP 7.3 新機能の紹介(1)
こんにちは。おおたにです。
2020年10月にLiferay DXP(Liferay有償版)の新バージョンであるLiferay DXP 7.3がリリースされました。様々な新機能や機能改善がなされていますので、2回に分けてLiferay DXP 7.3の新機能を紹介していきたいと思います。
7.3では特にページ/コンテンツ作成者やサイト運用者向けの実務的な機能が充実した印象がありますが、今回はサイトの構築や管理、運用に関する新機能を紹介します。
グローバルメニュー
これまで画面左側のコントロールパネルに表示されていたLiferay全体に渡る設定項目がグローバルメニューにリニューアルされました。画面右上に表示されるOpen menuアイコン をクリックする、もしくはショートカットキーCtrl+Shift+Mで以下のようなグローバルメニューが表示されます。従来の画面左側のプロダクトメニューにはサイトに関する管理項目だけが表示されます。設定スコープに応じてメニューが分離され、ナビゲーションがより分かりやすくなりました。
SEO関連の機能
OGP(Open Graph protocol)のサポート
コンテンツがSNSにシェアされる時のタイトルや概要、画像を指定するるOGPのメタタグを設定できるようになりました。
リダイレクト管理
サイト内のリダイレクト(301 Moved Permanently, 302 Found)を設定・管理できるようになりました。ページ構造を変えたりフレンドリURLを変更した際に、ユーザを適切なページに誘導したりSEOのために役立ちます。また、404 URLsタブでは404が発生したアクセスURLを確認できるので、リダイレクトが必要なURLを簡単に把握できます。
フレンドリURLの履歴管理
ページ毎にフレンドリURLの履歴が管理されるようになりました。フレンドリURLを変更すると以前のフレンドリURLが履歴管理され、以前のURLにアクセスしても自動的に新しいURLにリダイレクトされます。
ウィジェット(アプリ)の新機能
Questionsアプリ
製品サポートサイト等で特定のトピックに関する質問についてディスカッションしたり、質問に対する(既存の)回答を見つけたりするアプリが追加されました。レスポンスを評価したり、最も適切なものを回答としてマークするような機能を備えています。バックエンドに掲示板(メッセージボード)の仕組みを利用しているので、掲示板アプリの見栄え違い版のようなイメージです。
フォームレポート機能
フォームのエントリのサマリをレポートする機能が追加されました。
フォームのGDPR対応機能
GDPR対応のためのユーザデータのエクスポート、ユーザデータのレビュー/削除機能の対象に、フォームデータが追加されました。
その他、フォーム内のページ並べ替えができるようになったり、ワークフローメトリクス周りが機能強化されています。
アプリビルダー(App Builder)
今流行りのローコード開発ツールがLiferayにも実装されました。バックエンドには7.2で実装されたData Engineが使用されており、LiferayのGUI上からフォームやリストビュー、承認ワークフローを作成することができます。アプリビルダーの詳細は別途紹介させていただく予定です。
検索機能
検索バー、検索結果ウィジェットのウィジェットテンプレート(ADT)対応
検索バーポートレット、検索結果ポートレットでウィジェットテンプレート(アプリケーションディスプレイテンプレート)を定義、適用できるようになりました。これで検索バーや検索結果の見栄え変更にカスタムモジュールレベルでのカスタマイズが不要となり、Liferay管理画面上からカスタマイズできるようになります。
Elasticsearch 7対応
Liferay DXP 7.3ではElasticsearch 7(7.9以降)を利用できるようになりました。Liferay DXP 7.3がサポートするソフトウェアについてはLiferay DXP 7.3 & Liferay Commerce 3.0 Compatibility Matrixを参照してください。
セキュリティ関連の機能
多要素認証(MFA)
以下の多要素認証を利用できるようになりました。
- Eメールによるワンタイムパスワード
- IPアドレスによる制限
- タイムベースワンタイムパスワード(Google Authenticator等)
これらのMFAはインスタンス毎に設定することができます。
インスタンス毎の認証設定
SAMLやOpenID ConnectなどのSSO設定や、OAuth2の認可画面設定などをインスタンス毎に設定できるようになりました。また、SAML SSO時に認証済みユーザがLiferay上に存在しない場合に、Liferay上にユーザを自動的にプロビジョニングするオプションが追加されました。
インスタンス毎のCORS設定
CORSレスポンスヘッダもインスタンス毎に設定できるようになりました。
開発者向け機能
API Explorer
Liferay DXPで利用可能なAPIをブラウズするAPI Explorerが提供されます。管理者ユーザでLiferayにログインしてからhttp://<IP address>:<port>/o/api
にアクセスすると以下のような画面が表示され、APIの内容を確認したりAPIをテストすることができます。GraphQLを利用することもできます。
その他細かなAPIの改善やUIのReactへの移行が行われております。詳しくはこちらをご参照ください。
今回は以上です。それぞれの機能の詳細についてもおいおい紹介していきたいと思います。