null Alfresco Community Edition 23.1がリリースされました

こんにちは。2023年11月8日にAlfresco Community Edition 23.1がリリースされました。

Alfresco Community Edition 23.1 Release Notes

リリースノートによると、今回のバージョンからバージョン番号のフォーマットを以下のように変更したようです。

  • 従来の形式(例:7.0、7.4)ではなく、年-ドット番号形式(例:23.1)を使用
  • 最初の数字はバージョンがリリースされた年を表す
  • 2つ目の数字はその年のリリース番号の連番を表す(例:23.2、23.3)
  • Hylandの他の製品に合わせるためバージョン23を "1 "から始めているが、1年に一度LTS版をリリースする

4つ目がどういう意味なのか正確にはわかりかねるのですが、この年はこのバージョンがLTS版であると今後は明示されるようになるということでしょうか(2023年は23.1がLTS版?)。Community版を使用する場合はそもそもHyland社のサポートは受けられないんですが、LTS版であれば長期間メンテナンスされることが期待できるので導入するバージョンを選択する際の参考にできそうです。

上記のリリースノートの「Highlights」や「Specific Release Components」の内容から気になる点を以下に記載します。

Toggle for more reliable events

alfresco-global.propertiesに repo.event2.queue.skip=false というオプションを設定することで、イベントが別スレッドではなく、データベーストランザクションが終了した直後に送信されます。これにより、わずかなパフォーマンスコストで、イベントがキューに正しく配信される可能性が高まる、とのことです。

ARM64 containers for developers

Alfresco Communityの一般的なDocker Composeデプロイメントに含まれるすべてのDocker Imageが(ただし、Alfresco-Content-Appを除く)、AMD64とARM64アーキテクチャで提供されるようになりました。ARM64チップを搭載したM1/M2 Macでは、これまではAMD64用のDocker ImageをRosettaでエミュレートして動かしており、本来のパフォーマンスを発揮できていなかったようなのでどのくらい変わるものなのかMacBook Pro(Apple M2 Pro)で試してみました。後述のDocker Composeで起動する方法を使い、docker-compose -f community-docker-compose.yml up でコンテナを起動して INFO [main] org.apache.catalina.startup.Catalina.start Server startup in [xxxxx] milliseconds というログで時間を確認すると、7.3.0では50秒前後、23.1では15〜20秒程度でした。起動時間が2〜3倍速くなっているので、開発が捗りそうです。

インストール方法

以前のリリースと同様、Docker ComposeやAlfresco Docker Installerを使って簡単に動作を試してみることができます。以下にDocker Composeを使って試す場合の手法をご説明します。Alfresco Docker Installerについては、過去のブログ(alfresco-docker-installerを使用してAlfrescoをインストール )をご参照ください

  1. Alfresco / acs-deploymentのリポジトリをクローンします
    git clone https://github.com/Alfresco/acs-deployment.git
  2. 作成されたフォルダ(acs-deployment)で、23.1に対応するタグv7.0.1をチェックアウトします。
    cd acs-deployment
    git checkout v7.0.1
  3. docker-composeフォルダに移動して、community-docker-compose.yml を使用してコンテナを起動します。
    cd docker-compose
    docker-compose -f community-docker-compose.yml up
  4. コンテナ起動後、Alfresco Shareにアクセスするにはブラウザで http://localhost:8080/share を開き、ID/パスワードに admin/admin を入力しログインします。
  5. 同様に、Alfresco Content Appにアクセスするにはブラウザで http://localhost:8080/content-app を開き、ID/パスワードに admin/admin を入力しログインします。

ちなみに、community-docker-compose.ymlを眺めていて気づいたんですが、いつの間にかcontrol-centerというコンテナが追加されていました。ブラウザで http://localhost:8080/admin を開き、ShareやContent Appと同様にadmin/adminでログインできます。

ADFで作られた、ユーザ/グループやタグ、カテゴリを管理するためのアプリケーションのようです。どうやら7.4の頃からあったようなのですが、リリースノートにおそらく書かれていなかったと思うので見落としていました。

以上、Alfresco Community Edition 23.1のご紹介でした。

関連記事
customize
install

RANKING
2020.10.12
2020.11.19
2020.12.23
2020.10.05
2020.11.25