IFRS(国際財務報告基準)対応支援コンサルティング

日本の動向

(5) 今後の方向性

現在、ASBJが進めているIFRSとのコンバージェンスプロジェクトは、端的に言えばIFRSと日本基準の差異を埋めるべく、日本基準を開発・修正していく作業です。このプロジェクトの進展により、日本基準とIFRSとの間の大きな差異は解消されていきますが、あくまでコンバージェンスであるため、どれだけ進展してもIFRSと完全に一致する事はありません。そのため、IFRSとのコンバージェンスプロジェクトである限り、常にIFRSで作成した財務報告との比較可能性の問題は生じる事になります。この比較可能性の問題を排除して、完全に同じ基準の下で各国の財務報告を比較できるように、現在はワンスタンダード(1つの基準)としてのIFRSの採用(アドプション)に各国は傾いています。なかでも、日本と同様にIFRSのコンバージェンスプロジェクトを進めていた米国が2008年9月に、IFRSアドプションへの方針転換を発表した事は日本の方針にも大きな影響を与えました。その結果、2009年2月には金融庁からも『我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)』において、アドプションに関する方針が発表され、日本においても近い将来、IFRSをアドプションする事がほぼ確実となりました。