IFRS(国際財務報告基準)対応支援コンサルティング

国際財務報告基準を取り巻く環境

(2) 国際財務報告基準への各国の対応

IASBにより、IFRSのコアスタンダード(主要な会計基準)が制定されて以降、世界各国は急速に動き始めました。なかでも、域内の資本市場の統合のため、共通会計基準の必要性を感じていた欧州連合(European Union:EU)のIFRS採用決定は関係諸国に大きな影響を与えました。この決定では、2005年より、域内上場のEU企業の連結財務諸表の作成に IASの使用を義務付けるとともに、2007年1月(その後、2009年1月に変更)より、EU域内で資金調達を行うEU域外企業に対してもIFRSでの開示、もしくはそれと同等の基準による開示を義務付けています。

これにより関係諸国は、大きく分けて二つの選択を迫られる事になりました。ひとつは自国基準として、IFRSを採用する方法(アドプション)で、オーストラリアや韓国、インドなどがこれに該当します。もうひとつは、自国基準がIFRSと同等と評価されるように自国基準とIFRSとの差異を解消する方法(コンバージェンス)で、米国や日本、カナダなどがこれに該当します。